ジェットストリームの会社、三菱鉛筆が過去最高だった
木曜のカンブリア宮殿、三菱鉛筆だった。
私のペンケースにもジェットストリームが入っている。会議のメモ取りはこれじゃないと手が止まる、という同僚も多い。子供のシャーペンはクルトガだ。つまり我が家は、親子でこの会社にお世話になっている。
番組のタイトルは「デジタル時代に絶好調 創業140年 老舗の挑戦」。売上高は過去最高だという(番組談)。
「紙とペンは終わる」と言われ続けて、過去最高
タブレットだ、AIだ、と騒がしい時代に、鉛筆とボールペンの会社が過去最高。ここが一番刺さった。
三菱鉛筆は1887年創業。社名に「鉛筆」と入っているのに、今の主役は鉛筆じゃない。クルトガとジェットストリームだ。
クルトガは、書くたびに芯が少しずつ回って、ずっと尖ったまま書けるシャーペン。ジェットストリームは、ペン先が紙の上をスケート靴みたいに滑るボールペン。どちらも「書く」という地味な動作の、小さいイライラを消しにいった商品だ。
私もそうだった。100円のペンで十分、と思っていた時期がある。ジェットストリームを一度使うと、もう戻れない。安いペンに戻すと、引っかかりが気になって仕事に集中できない。この「戻れなさ」が、会社の強さそのものだと思う。
投資の目で見ると、「堀」がよく見える
少し前にこのブログで、HDVという米国ETFの「経済的な堀(競合優位性)」について書いた。堀というのは、城の周りに掘った水路みたいなもので、敵が簡単に攻め込めないようにする仕組みのこと。
三菱鉛筆の堀は、目に見える形で存在する。
芯が回る機構は特許と精密な加工技術が要る。ジェットストリームのインクも、滑らかさと乾きやすさの両立という、地味だけど真似の難しい配合だ。ブランドの「uni」は世界中で売られている。安いだけの競合が参入しても、この書き味と信頼は一朝一夕には作れない。
派手なAI銘柄を追っていると、こういう会社は視界から外れる。でも配当投資をやっていると、「地味な分野で、競合が入ってこれない場所を持っている会社」の強さが、じわじわ効いてくる。値動きは地味でも、稼ぐ力の根っこが深い。
サラリーマンの鞄の中にある会社
三菱鉛筆は東証に上場している(証券コード7976)。私がこういう日本の会社を見るときに確認するのは、海外売上の伸びと、株主還元の姿勢だ。文房具は世界中で毎日使われる。人口が増える地域で「uni」が広がれば、会社の土台はもっと固くなる。還元の中身は決算資料で確認するつもりだ。
投資の勉強というと、決算短信や海外ニュースばかり見がちになる。でも一番身近な教材は、自分の鞄の中にある。毎日使っているのに、作っている会社の名前を意識したことがなかった。そういう製品が、実は一番強い会社だったりする。
買うかどうかは決算を読んでから考える。ペンのほうは、明日も明後日も使う。
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