成果が見えない期間が、仕事でいちばん苦しい

霧の向こうの朝日を窓から見るサラリーマンのイラスト

仕事でいちばん苦しいのは、忙しい時期じゃない。

残業が続く時期は、しんどくてもまだ耐えられる。終わりが見えているからだ。本当にきついのは、数か月かけているのに成果がまったく見えない期間のほうだ。

見えない期間は、誰にも説明できない

大きな仕事ほど、成果が出るのは最後の最後になる。途中は資料を作って、関係者を回って、差し戻されて、また作り直す。進んでいるのか止まっているのか、自分でも判別がつかない日が続く。

家族に「最近、仕事どうなの」と聞かれても、うまく答えられない。「まあ、頑張ってるよ」しか出てこない。評価の面談でも同じだ。数字になっていない努力は、説明のしようがない。

資産運用でいえば、種をまいた直後の畑を見続けるようなものだ。配当は決まった日にしか入ってこない。途中で何度画面を開いても、増えたりはしない。仕事も同じで、手応えが返ってくる日はだいたい決まっている。そこまでは、返信の来ないメールを送り続ける気分で日々が過ぎる。

見えた日の達成感は、給料日より大きい

それでも続けられるのは、見えた日の感覚を知っているからだ。

数か月止まっていた話が、ある日いきなり動き出す。相手から「あの件、進めよう」と返ってくる。自分が作った資料が、そのまま会議で通る。あの瞬間の手応えは、給料日の振込通知より大きい。給料は毎月、決まって来る。達成感は、来るかどうか分からないまま待った分だけ大きくなる。

醍醐味という言葉は少し大げさだ。それでも、仕事の面白さは結局ここにある。自分の手で何かを前に進めて、それが相手の反応として返ってくる。配当の通知も嬉しい。ただ、あれは金の側の話で、仕事の達成感の代わりにはならない。配当が増えても会社は辞めないと前に書いた理由の半分は、これだ。

家族の幸せと、成し遂げたい気持ちは、別の天秤じゃない

家族のために仕事を我慢するか、自分のやりたいことのために家族を犠牲にするか。仕事と家庭は、そういう二択で語られがちだ。私はどっちも取りにいくつもりでいる。

家族の幸せは、稼ぎの額だけで決まらない。かといって、父親が自分の成し遂げたいことを全部諦めて、不機嫌そうに家にいる姿も、幸せな家庭の絵とは言えない。子供は親の背中を見ている。何かを取りにいっている背中と、諦めた背中は、子供には意外と伝わる。

だから私の順番はこうだ。仕事で成し遂げたいことがある。その熱は、家に帰っても消さない。家族との時間は削らない。その代わり、仕事の勝負どころでは本気で取りにいく。両方を100点にはできない日もある。それでも、片方をゼロにして、もう片方で帳尻を合わせる生き方はしたくない。

見えない期間に入ったら、日付を1つ書き出す

見えない期間に入ったら、私は「成果が見える日はいつか」を1つだけ書き出すようにしている。相手の決裁の日、納品の日、発表の日。日付が見えれば、そこまでの距離が分かる。距離が分かれば、今日やることも決まる。

今の仕事も、まだ霧の中だ。今週やるのは、その日までに潰しておく宿題を1つ終わらせること。月曜の朝、また資料の束を持って家を出る。

#働きがい #サラリーマン #仕事 #社畜