Anthropicが上場申請。評価額2兆ドル、史上最大のIPOになる

史上最大のIPO調達額の記録とAnthropicの目標

10月26日、Claudeを作るAnthropicがSECに上場の届出書を出した。ナスダックに「ANT」のコードで上場する。価格も株数もまだ空白で、11月9日の週に投資家への説明を始めて、感謝祭(11月26日)前の取引開始を目指すと報じられている。中間選挙が11月3日にあるので、その後に置いた日程だ。

規模は記録ずくめだ

狙う評価額は最大2兆ドル、調達は最大1,000億ドル。今年6月にSpaceXが750億ドル(追加の割り当て分を入れると862億ドル)を集めて、サウジアラムコの294億ドルの記録を抜いたばかりだ。その記録を、評価額でも調達額でも上から押さえに来た。

今年5月の資金調達で付いた値段は9,650億ドルだった。半年で倍の値段を市場に問うことになる。AIのモデルを作る会社が上場するのは初めてで、ライバルのOpenAIは来年以降に回った。

中身の数字は両極端だ

届出書の2026年上半期の売上は163億ドルで、前年同期の14倍。第3四半期は168億ドルで、伸び率は前期比+45%まで鈍っている。絶対額は増えている。率のほうは落ち着き始めた。

最終赤字は807億ドルと出る。ただし、このうち724億ドルは転換社債などの評価損で、現金は1ドルも出ていない。仕組みはこうだ。昔、安い値段で株に換えられる券を出資者に配った。会社の値段が上がるほど、その券の価値も上がって、差額が帳簿の費用に見える。人気が出るほど赤字が膨らむ変な数字だ。この評価損を除いた営業損益は、16億ドルの黒字に転じている。手元の現金は1,124億ドルある。

怖いのは支出の約束のほうだ。今後10年で、計算設備に少なくとも5,180億ドルを払う約束をもう結んでいる。届出書のリスク欄は約100ページあって、AIの悪用や暴走の話、政府との関係まで書いてある。創業者7人の議決権は50.1%に固定される作りで、上場しても株主は経営に口を出しにくい。

私は初日には買わない

配当はゼロだ。配当で積み上げる私の本命にはならない。そこは最初に線を引いておく。

それでも無視はしない。Claudeは私も毎日使っている。このブログの下調べもそうだ。AIの本丸が初めて市場で値段を持つ意味は大きい。

買わない理由は初日の需給だ。SpaceXの前例がある。公開価格135ドル、初日は161ドルで終えて、数日で225ドルまで跳ねた。その後8月には104ドルまで落ちて、公開価格を割った。史上最大のIPOは、初日に一番荒れる。

日本の個人投資家に公募価格の割り当ては基本的に回ってこない。買うなら上場後の市場で買うしかない。私はまず最初の決算と、半年後のロックアップ解除の売り圧力を見てから考える。買うとしても観察枠だ。資産の1%も入れない。

私が次に確認するのは1つだけだ。第3四半期に+45%まで鈍った売上の伸びが、次の四半期でどこまで落ちるか。2兆ドルという値段は、この成長が続く前提で付いている。前提が崩れれば、真っ先に削られるのはこの値段のほうだ。

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