
米国株の配当は、口座に入る前に米国で10%引かれている。配当30万円なら3万円。この3万円、確定申告の外国税額控除で取り戻せる。ただ、やる意味があるかどうかは人で全く違う。ほぼ全額戻る人もいれば、申告してもほぼ戻らない人もいる。
分かれ目は所得税の額
戻せる額には限度額がある。計算は「所得税 ×(配当 ÷ 所得の合計)」で、これに復興分と住民税分の枠が乗る。分母に自分の所得全体、分子に配当。給料に対して配当が小さい会社員ほど、限度額は思ったより小さくなる。
感覚としては会社の経費精算に近い。領収書(米国で引かれた税金)が3万円分あっても、戻るのは規定の上限まで。その上限は、自分の払っている所得税の大きさで決まる。所得税をほとんど払っていない人は、上限自体がほぼ無い。
数字で見るとはっきりする
配当20万円、引かれた税金2万円。所得税60万円、給与所得500万円の人なら、限度額の目安は約3万円ある。2万円はほぼ全額戻る計算だ。この人はやる意味が大きい。
配当30万円、引かれた税金3万円。所得税40万円、給与所得600万円の人だと、戻るのは約2.5万円。残り5千円ほどは戻らない。やる価値はあるが、全額ではない。
所得税がもっと少ない人は、戻る額はさらに小さくなる。配当が大きくて所得税が小さい組み合わせだと、引かれた額の半分も戻らないことがある。
やる意味が薄い人
- NISA口座だけの人。NISAの配当は対象外で、米国の10%は最初から戻らない
- 所得税をほとんど払っていない人。限度額が小さく、戻る額も小さい
- 国民健康保険の人。申告すると住民税や保険料が上がる場合があり、取り戻す税金より増え分のほうが大きくなることがある
- 配当が少ない人。引かれた税金が年に数百円なら、確定申告の手間のほうが大きい
戻らなかった分は、翌年以降3年に繰り越せる決まりだ。国税庁の説明に書いてある。今年ダメでも、配当や所得が増えた年に効く場合がある。
自分の場合は試算ツールで確かめる
分かれ目が所得税と配当の組み合わせなので、一般論では決められない。自分の数字で計算するしかない。面倒だから、目安だけ出す無料ツールを作った。
入れる数字は4つ。特定口座年間取引報告書の「外国所得税額」と配当の合計。源泉徴収票の「源泉徴収税額」と「給与所得控除後の金額」。どの入力欄にも、どの書類のどの数字か書いてある。結果には、申告に使う数字の転記用まとめも付けた。
登録はいらない。入力した数字はページの中で計算するだけで、どこにも送信しない。無料だ。
私はこう使う
今年の配当はまだ確定していない。年明けに年間取引報告書が出たら、自分の数字を入れて目安を見る。戻る額が手間に見合うなら申告する。見合わなければ、その年はやらない。判断は数字でする。
リンク:
- 外国税額控除 かんたん目安ツール
- 配当の集計には 配当金 手取り集計ツール
- note(プロフィールだけ置いている): https://note.com/tokyn_shachiku
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