ナスダック1.4%安、アルファベット12%超安の木曜

米国株市場の値動きを表すイラスト

10月29日の米国株は、テックに偏った下げだった。ダウ平均は52,342.62で前日比132.48ドル安、0.25%安。S&P500は7,717.87で26.11ポイント安、0.34%安。ナスダック総合は26,177.90で371.95ポイント安、1.40%安。半導体指数は1.47%安だった。数字はロイターの10月29日付終値まとめによる。ダウとS&P500の下げが0.3%前後にとどまったのに対し、ナスダックだけ1.4%下げた。下げの中心がはっきりしていた1日だ。

発火点は、前日に決算を出したアルファベットだった。第3四半期の売上は1,276億ドルで前年比25%増、Googleクラウドは2倍を超えた。それでも1株利益は2.12ドルで、市場の予想3.01ドル前後を大きく下回った。設備投資は514億ドルで、フリーキャッシュフローは91億ドルのマイナスになった。株価は12%超安で終えた。ロイターの序盤のまとめでは一時13%安、1日の下落率として過去最大になる見通しと伝わった。クラウドが伸びたのに株が売られた。売られた理由は売上じゃない。工事の請求書と、手元に残るお金のほうだ。

同じ「クラウドが伸びた」でも、銘柄ごとの顔つきは違った。マイクロソフトは朝方の上げを消して小幅安で終えた。Azureは48%増、設備投資は市場の予想より小さく、手元のお金もプラスだった。メタは2%弱高、エヌビディアは0.8%安、テスラは小幅安だった。家計に置き換えれば、給料が増えた家でも、リフォームの支払いが先に膨らめば手元は減る。給料の伸びだけ見て「調子がいい」と決められない。市場が見ていたのは、まさにその手元のほうだ。

原油はWTIが102ドル台半ばでほぼ横ばい、10月30日早朝のまとめではドル円は157円台後半、米10年債利回りは5%弱だった。金利が跳ねた日じゃない。下げの主因は金利より、決算の中身だった。

引け後には、アマゾンの決算が出た。第3四半期の売上は2,019億ドルで前年比12%増、1株利益は1.89ドルで市場の予想1.97ドルを下回った。AWSは460億ドルで39%増と、5年近くでいちばん速い伸びだった。営業利益は281億ドルで、営業利益率は13.9%と過去最高だった。それでも株価は、通常取引で約4%安のあと、時間外で7%超安と伝わり、一時は11%超まで下げた。数字はGeekWireとMarket Fluxの10月29日付まとめによる。第4四半期の売上見通しは2,400億〜2,470億ドルで、市場の予想の真ん中あたりに置かれた。四半期の設備投資は773億ドルで、2026年通年は約2,200億ドル、2027年はそれを「大幅に上回る」と会社側が言った。AWSの伸びが弱かったわけじゃない。伸びを買うための工事費が、利益のほうを先に食った。

私の配当と積立への見方

木曜1日の下げで、私の配当と積立は何も変わらない。ナスダックが1.4%下げたから配当が減るわけじゃない。積立も自動で続く。アルファベットが12%下げた日でも、口座から引き落とされる額は同じだ。ここは淡々と見るしかない。

今日、私が実際に確認する1項目は、日銀の金融政策決定会合の結果だ。結果は昼ごろに出て、植田総裁の記者会見は15時30分からとされている。見るのは金利の変更の有無だけじゃない。同じ日に出る展望レポートで、来年度の物価見通しが引き上げられるかどうかだ。見通しの引き上げがはっきり出れば、12月の利上げ観測が強まり、円の動きも変わる。米国株の話だけで今日を判断しない。円の動きとセットで見る。

私の予想

今日のナスダックは、アマゾンの時間外安を引きずって始まりやすいという見立てを持っている。AWSの39%増が崩れたわけじゃないから、売りの理由は「クラウドが弱い」じゃなく「工事費が高い」だ。工事費の話は、マイクロソフトとアルファベットとアマゾンで3社3様に出た。次に見るのは、工事費の額そのものより、工事費を払ったあと手元にどれだけ残るかだ。日銀の結果で円が158円を超えて走るようなら、米国株の円換算の見え方も変わる。今日の仕事はもう始まっている。

出典はロイター、GeekWire、Market Fluxの10月29日付まとめと、アマゾンの決算発表。指数の終値と騰落率は10月29日の米国市場の終値。アマゾンの時間外の株価は引け後の取引の速報値で、通常取引の終値とは別だ。

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