12月の米国株配当、損出しで売る前に権利落ち日を見る

IBMの12月配当カレンダー(2026年10月21日宣言分)

10月30日に損出しの記事を書いた。11月1日には外国税額控除の実践編を書いた。年末の税金は2本立てだと書いたはずが、1本抜けていた。損出しで売る銘柄に、12月の配当が付いているかどうかだ。売る日を1日間違えると、数えるはずの配当が消える。逆に、配当が付くと思って数えた分が、もう権利を落としていた、ということもある。

今夜見るのは2つだけだ。12月に支払われる配当の合計と、売る予定の銘柄の権利落ち日だ。

12月は四半期配当の支払い月

米国株の配当は、年4回出す銘柄が大半だ。支払い月は3月・6月・9月・12月に寄る。だから12月は、1年で4回ある配当の最後の回がまとめて入る月になる。9月の分を数え終わったあと、12月分をまだ見ていない人は多い。私もそうだった。

具体例が1つあると早い。IBMは10月21日に、12月分の配当を1株1.69ドルと宣言した。権利確定日は11月10日、支払日は12月10日だ。10月22日更新の配当情報ページで確認した数字で、9月分は9月10日に1株1.69ドルが支払い済み、12月分はまだ未払いと書かれている。IBMを買うかどうかとは別の話だ。カレンダーの形を見るための例だ。

私の口座でやることは、配当予定の画面を開いて、12月に支払日が来る銘柄を拾って合計することだ。金額はドルでいい。円換算はあとでいい。合計が出たら、それが12月の配当の全体像になる。外国税額控除の記事で書いた、特定口座の外国税額の累計ともつながる。12月分まで入れて初めて、今年の外国税の全体が見える。自分の数字で目安を出したい人は、サイトの外国税額控除の目安ツールで確かめられる。

権利落ち日をまたいだかどうかが分かれ目

配当が付くかどうかの線引きは、権利落ち日だ。権利落ち日の前営業日までに買った株には配当が付く。権利落ち日以降に売っても、配当は付いたままになる。逆に、権利落ち日の前に売ってしまうと、その回の配当は付かない。損出しで売る銘柄が、12月の配当の権利をまだ持っているのか、もう落としたのか。ここだけ確認すればいい。

権利落ち日そのものは、証券会社の銘柄情報で確認する。権利確定日と権利落ち日は同じ日とは限らないので、銘柄情報の「権利落ち日」の欄を見る。IBMの例でいえば、権利確定日は11月10日と宣言されているが、最終購入日は権利落ち日で決まる。宣言文だけ見て「11月10日まで持っていればいい」と決めつけないことだ。

ここで1つ、勘違いしやすい点を潰しておく。権利落ち日以降に売れば配当は付くが、株価はその分だけ下がって始まるのが通例だ。配当をもらった分、株価が下がる。だから「配当だけ取りにいく」ために売りを遅らせる意味は薄い。判断の軸は損出しの税効果のほうに置く。権利落ち日の確認は、得するためのテクニックじゃない。数えるはずの配当を、数え間違えないための確認だ。売る前に権利を落としていたら、その配当は今年の合計から外す。権利をまたいで売るなら、配当は合計に入れたままにする。それだけの話だ。

年末年始をまたぐ入金は、年内の合計に入れない

もう1つ、12月特有のずれがある。米国で支払われた配当が、日本の口座に入るのは支払日の1〜2国内営業日後だ。年末年始を挟むと、後ろにずれる。12月30日に米国で支払われた配当は、日本の口座へは年明けの1月4日以降に入る、という証券会社ごとの入金日の整理がある。12月分のつもりで数えた配当が、実際には年明けの入金になることがある。

だから12月の合計を出すときは、支払日と入金日を分けて見る。米国での支払日が12月でも、口座への入金が年明けなら、その年の配当集計には入れない。申告の年の扱いは、年明けに届く年間取引報告書の記載で確認する。ここで自分で年を決めつけないことだ。報告書の数字と、今夜メモした合計が合うかどうかだけを見る。

IBM100株の例で、手取りの大きさを掴む

IBMの1株1.69ドルで、100株持っていたとする。配当の総額は169ドルだ。米国で10%引かれて16.90ドル、日本で20.315%が残りの152.10ドルにかかって30.90ドル引かれる。手元に残るのは121.20ドルだ。100ドルの配当なら手取り約71.7ドルになる、という配当入金の整理と同じ割り算だ。

この計算は、12月の合計を出すときの検算にも使える。合計した配当の総額に0.717を掛ければ、手取りの目安が出る。NISA口座の分はここに入れない。NISAの配当は米国の10%だけ引かれて、日本の税金はかからないが、外国税額控除の対象にもならない。11月1日の記事で書いた切り分けと同じだ。特定口座の分だけを足す。

今夜やることは、配当予定の画面で12月分を合計し、売る予定の銘柄の権利落ち日に印を付けることだけだ。損出しの記事で見た譲渡益税の欄と、外国税額控除の記事で見た配当明細の外国税額と、この記事の12月の合計。この3つが揃えば、年末の税金の全体像はほぼ見える。申告書を開くのは年明けでいい。メモが3枚あれば、年明けの作業は転記だけになる。

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