
11月4日の米国株は、指数が全部上がったのに、中身は真っ二つに割れた日だった。ダウ平均53,356.12(3.03%高、1,569.40ドル高)、S&P500 7,688.62(1.58%高)、ナスダック総合25,736.51(1.44%高)。数字はInvestopediaとTradingKeyの11月4日付まとめによる。ダウの1,569ドル高は、1日の上げ幅として歴代5位で、選挙の翌日としては44年ぶりの大きさだという。Motley Foolの同日まとめにも同じ見出しがある。
主材料は中間選挙だ。民主党が上下両院を制し、トランプ大統領も結果を受け入れた。関税政策への挑戦やイラン戦争の終結への動きが意識され、市場が1つ嫌っていた「この先どうなるか分からない」が後退した。選挙の夜、先物は一時大きく下げた。開票が進んで勝敗の規模が見えた朝に反転した。Investopediaの同日まとめにある流れだ。
昨日の朝コラムで「今夜見るのはAMDの上げ維持と、選挙の受け止め方」と書いた。答え合わせをする。AMDの上げは維持できなかった。決算の時間外で7%近く上げたのに、通常取引の終値は488.78ドルで、前日比1.01%高にとどまった。数字はFinnhubの株価データによる。上げの大半を吐き出した。半導体の反発は決算に裏付けられたものになる、という読みは外れた。選挙の受け止め方は、上げは上げだが、中身が割れた。こっちも半分だけ当たった。
割れ方をはっきり書く。買われたのはクラウド大手だ。マイクロソフトは6.68%高、アマゾン6.12%高、アップル5%高、グーグル3.18%高、メタ1.44%高。数字はTradingKeyの11月4日付まとめによる。アップルは前日まで2日下げていた分の戻しでもある。売られたのはAIインフラ側だ。フィラデルフィア半導体指数は3.13%安の10,268.65。エヌビディア3%安、ブロードコム2%安、マイクロン7%安、サンディスク7.91%安、コアウィーブ10%安。テスラ3.34%安、スペースX3.81%安。防衛もロッキード・マーチン7%安、ノースロップ・グラマン4.5%安、パランティア2%安だ。
なぜ割れたか。テキサス州知事選で、データセンターの新設に規制をかける側が勝った。テキサスには全米の計画中のデータセンター容量の27%ほどが集中しているという。Wells Fargoの推計をTradingKeyが引いている。規制が強まれば、新しい建設は遅れる。遅れれば、工事を受注する側や部品を売る側は売られる。逆に、すでに大きな雲を持っているクラウド大手は、規制の壁が新規参入を遠ざける分だけ有利になる。同じ選挙結果なのに、買われる側と売られる側が分かれた理由はここだ。
店で例えると、店長が交代する日の客足に似ている。店全体の客は戻ってくる。でも、前の店長と組んでいた仕入先の棚だけは客が離れる。指数だけ見て「今日は全面高」と書くと、この棚の動きが見えなくなる。
金利と為替と原油は、株価と別の方向に動いた。米10年債利回りは4.89%で、前日の4.97%から下がった。ドル円は158円前後で、前日とほぼ変わらない。数字はXTransferの11月4日分で157.665円だ。WTIは88.55ドルで約8%安、約2か月ぶりの安値。イラン戦争の先行きが変われば、今年のインフレを押し上げてきた原油高が和らぐ、という読みが入った。金は3.3%高の4,070ドル、ビットコインは80,100ドル前後だ。
私の予想
選挙の見出しだけで「全部上がった」と読むと間違う。上がったのはダウとS&P500とナスダックの指数で、中身はクラウド大手の上げとAIインフラの売りが同居した1日だった。関税とイラン戦争の見通しが変われば、インフレの圧力は和らぐ方向だ。そこまでは数字が裏付けている。規制の矛先がどこまで向くかは、まだ決まっていない。分からない部分は分からないと置く。
金曜夜(日本時間)の10月雇用統計までは、見る数字を増やさない。確認項目は1つだけだ。半導体指数がもう1日下げるか、それともクラウドの上げに連れ戻されるか。昨日のAMDの動きが示したのは、決算の良さだけでは指数の流れを変えられない、ということだ。雇用統計の前に、半導体の2日目の動きを見てから考える。
私の配当と積立への見方
昨夜の動きで、私の配当と積立は何も変わっていない。アップルが1日5%戻しても、1株0.27ドルの配当の宣言は変わらない。ダウが1,569ドル上がったからといって、積立のペースを上げる理由にはならない。半導体が売られた日も同じだ。指数が1日下がったからといって、積立を止める理由にはならない。
今日、私が実際にやることは1つだけだ。今夜の米国市場で、半導体指数が2日続けて下げるかどうかを見る。買うにしても売るにしても、その答えが出てからだ。選挙の見出しの勢いだけで動かないよう、数字の確認を先に置く。
出典はInvestopediaとTradingKeyとMotley Foolの11月4日付市場まとめ、Finnhubの株価データ、XTransferの為替データ。
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