
昨夜の米国株は、3指数がそろって大きく下げた。ナスダック総合24,315.00(5.52%安、1,421.52ドル安)、S&P500 7,353.73(4.36%安、334.89ドル安)、ダウ平均51,523.06(3.44%安、1,833.06ドル安)。ナスダック100は6.36%安の26,629.81、ラッセル2000は4.45%安の2,729.89だ。数字はロイターとヤフー・ファイナンスの11月5日付まとめによる。ナスダックは10月6日の終値での過去最高値から10%超下がり、調整局面入りが確認された。S&P500の1日の下げ幅は2025年4月以来の大きさだ。S&P500構成企業の時価総額は1日で3兆ドル減ったという。
昨日の朝コラムで「今夜見るのは半導体指数の2日目の動き」と書いた。答えは出た。2日目も下げた。しかも下げ幅は前日の3.13%安から12.25%安に広がった。フィラデルフィア半導体指数は9,011.14、1,257.52ポイント安だ。AMDは17.3%安の404.40ドル、マイクロンは17.5%安の656.39ドル、サンディスクは22.3%安の806.43ドル。数字はFinnhubの株価データによる。決算の良さだけでは流れは変わらない、と昨日書いた。その通りになった。半導体の2日目は、反発ではなく加速した売りだった。
売りの中心は半導体とAIインフラだ。エヌビディアは9.3%安の181.60ドル。クアルコムは9.5%安で、スマートフォン向け半導体の売上見通しが市場予想を下回った。アームも1割ほど下げた。データセンター関連も、IRENとアプライド・デジタルが14%超安、コアウィーブが約10%安、GEベルノバが7.5%安だ。マグニフィセント7は全銘柄が下げた。メタ4%安、アマゾンとアルファベットが2.2%安、テスラが11%近く安い。アップルとアルファベットが1%台の下落にとどまり、7銘柄の中では下げが小さかった。数字はロイターの11月5日付まとめとInvestingLiveの同日まとめによる。
主材料は2つ重なった。1つは中間選挙の後始末だ。民主党が上下両院を制した翌日、市場は「AIへの規制強化」を織り込み始めた。データセンターの新設に反対する候補がテキサス、オハイオ、ジョージアの州知事選で勝った。建設が遅れれば、部品を売る側の注文も遅れる。水曜はクラウド大手が買われてAIインフラだけが売られた。木曜はクラウドも含めて全部売られた。規制の矛先がどこまで向くかは、まだ誰にも分からない。ただ、売る側は「分からない」を待たずに売った。
もう1つは、AIへの投資そのものへの疑問だ。マイクロソフトがテキサスのデータセンター契約の延長を見送った。マイクロンは台湾のメモリ工場の建設計画を止めた。クアルコムの見通しも弱かった。巨額の借金でデータセンターを建て、利益がいつ戻ってくるか分からない。そんな構図に、市場が急に値段をつけ直した。ロイターの同日まとめにも、同じ見方が出ている。
例えるなら、大きな倉庫を借金で建てる話だ。倉庫ができて荷物が入れば、借金は返せる。でも、建てる途中で「この辺りの倉庫はもう建てちゃダメ」と言われたら、借金だけが残る。木曜の市場は、倉庫そのものより、倉庫を建てる側の借金の重さを売った。半導体も、データセンターの部品屋も、倉庫の壁や配線を売る商売だ。建設計画が止まれば、注文が止まる。クラウド大手は倉庫を持っている側だが、木曜はその側も一緒に売られた。逃げ場のない1日だった。
金利と為替と原油は、株価と別の方向に動いた。米10年債利回りは4.84%前後で、前日から5bpほど下がった。株から逃げた金が債券に入った。ドル円は157円台半ばから後半で、円が0.5%ほど強くなった。WTIは90.04ドルで2.2%高、ブレントは98.29ドルで3.9%高と反発した。水曜に8%下げた分の戻しだ。金は4,098ドルで0.9%高、ビットコインは5%安の75,737ドル前後だ。数字はBloombergの11月5日付まとめとInvestingLiveの同日まとめによる。
出来高は269億株で、直近20営業日の平均177億株を大幅に上回った(ロイターの同日まとめ)。売る側も買う側も、普段よりずっと多かった。それでも指数は下げた。逃げたい人が多かった、ということだ。ただ、年初来ではS&P500は7.4%高、ナスダックは4.6%高をまだ保っている。1日で全部が崩れたわけじゃない。10月の高値から見れば、ナスダックは調整局面でも、年初からはまだプラスだ。
私の予想
水曜の上げは、木曜の1日で消えた。ダウは水曜に1,569ドル上げて、木曜に1,833ドル下げた。選挙の見出しで買われた分は、規制の不安で全部返された。ここから先は、選挙の話よりAIへの投資の話が主役になる。工事費を払ったあと、手元にいくら残るのか。データセンターの建設費は借金でまかなわれている。その借金の返済が、クラウドの売上から回収できるのか。ここが数字で見えるまでは、半導体の売りは止まりにくい。分からない部分は分からないと置く。ただ、見る数字は増やさない。
今夜(日本時間の金曜夜)見るのは1つだけだ。10月の雇用統計だ。雇用が弱ければ利下げの見方が強まり、金利が下がる。金利が下がれば、借金で建てる側の負担は軽くなる。逆に雇用が強ければ、金利は下がりにくい。半導体の2日目の動きは見た。次は雇用統計の答えを待つ。
私の配当と積立への見方
昨夜の動きで、私の配当と積立は何も変わっていない。ナスダックが5.5%下げても、アップルの1株0.27ドルの配当の宣言は変わらない。S&P500が4.4%下げたからといって、積立を止める理由にはならない。逆に、下げたからといって積立のペースを上げる理由にもならない。配当は1日で変わるものじゃない。積立は1日の値動きで決めるものじゃない。
今日、私が実際にやることは1つだけだ。今夜の雇用統計の数字を見る。半導体が3日続けて下げるかどうかも、その答えと一緒に見る。買うにしても売るにしても、その2つが出てからだ。1日の下げで動かないよう、数字の確認を先に置く。
出典はロイターとヤフー・ファイナンスとBloombergとInvestingLiveの11月5日付市場まとめ、Finnhubの株価データ。
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