
昨夜の米国株は、指数が割れた。ナスダック総合24,579.42(1.09%高、264.42ドル高)、S&P500 7,376.86(0.31%高、23.13ドル高)、ダウ平均51,285.73(0.46%安、237.33ドル安)。ラッセル2000は0.89%高の2,754.11。数字はCNBCとヤフー・ファイナンスの11月6日付まとめによる。木曜に5.52%下げたナスダックが1日で取り戻したのは、その下げの2割ほどだ。週間ではS&P500が2.7%安、ナスダックが3.4%安、ダウが0.9%安と、6月以来の悪い週になった。
前日の朝コラムで「今夜見るのは10月の雇用統計だけ」と書いた。答えは出た。雇用者数は16.5万人増で、予想の6.5万人前後(CNBCの調査では5.9万人)の3倍近い。失業率は4.2%から4.1%に下がり、時給は前月比0.4%増で予想の0.3%を上回った。過去2か月分も8.4万人上方修正された。数字はCNBCの11月6日付まとめによる。私の読みは半分当たって半分外れた。雇用が強ければ金利は下がりにくい、という部分は当たった。12月9日のFOMCで0.25%の利上げがある確率は、CMEのFedWatchで7割ほどに上がった。米10年債利回りは4.859%と、前日から2bpほど上がった。外れたのは、その先だ。金利が上がったのに、半導体は反発した。
半導体の反発は、決算の良さと売られすぎの戻しが重なった。AMDは11.5%高の450.82ドル。木曜に17.3%下げた分の、半分ほどを取り戻した。エヌビディアは3.6%高の188.15ドルで、年初来でプラスに戻った。マイクロンは5%ほど、インテルは7%ほど、クアルコムも5%ほど上げた(CNBCの昼時点のまとめ)。ラムリサーチは9%近く上げた。250億ドルの自社株買い枠を決めた。数字はInvesting.comとCNBCの11月6日付まとめによる。
決算のほうも、上げた銘柄と下げた銘柄がはっきり分かれた。エアビーアンドビーは12.0%高の190.60ドル。1株利益3.16ドルが予想の2.85ドルを上回った。クラウドフレアは13%ほど上げた。売上は7億8,250万ドルで前年比39%増、次の四半期の見通しも予想を上回った。JFrogは3割超の上げだ。どれも、木曜の夜から金曜の朝にかけて出した決算が予想を上回った銘柄だ。逆に、決算は良くても見通しが弱い銘柄は売られた。決算の中身より、次にどうなるかで値段がつく。木曜の売りで見えたのと同じ物差しだ。
例えるなら、セールの翌日の話だ。木曜は、AIの倉庫を建てる借金の重さが嫌われて、半導体もデータセンター関連も全部売られた。金曜は、その売られすぎを拾う人が出てきた。倉庫の借金が軽くなったわけじゃない。ただ、値段が下がりすぎたから買う人がいた、というだけだ。雇用統計が強くて金利が上がったのに株が上がったのは、買う理由が金利じゃなかったからだ。決算が良かった銘柄と、下がりすぎた銘柄が買われた。借金の話は、金曜の1日では片づいていない。
金利と為替と原油は、株価とまた別の方向に動いた。米10年債利回りは4.859%で、前日から2bpほど上がった。ドル円は158円台前半で、0.4%ほど円安に振れた。数字はヤフー・ファイナンスとMyfxbookの11月6日付データによる。WTI原油は90.83ドル、ブレントは98.32ドルとほぼ横ばい。ただ週間ではWTIが13%安、ブレントが16%安と大きく下げた。金は4,074ドル台で1%ほど下げた。VIXは24.14と、前日から14%ほど下がった。数字はCNBCとInvesting.comの11月6日付まとめによる。恐怖で買われた金が売られ、恐怖指数も下がった。逃げ場を探す動きは、金曜はひとまず止まった。
私の予想
木曜の問いは、金曜の1日では答えが出なかった。工事費を払ったあと、手元にいくら残るのか。データセンターの借金が、クラウドの売上から回収できるのか。決算が良かった銘柄は買われた。でも、借金の重さそのものが消えたわけじゃない。半導体の反発は、木曜の下げの半分も取り戻していない。ここから先は、反発が2日続くかどうかが分かれ目だ。木曜の下げが「売られすぎ」だったのか、それとも「値段のつけ直しの始まり」だったのか。1日では分からない。分からない部分は分からないと置く。見る数字は増やさない。
来週の火曜(日本時間の11月10日夜)には10月の消費者物価指数が出る。予想は前月比0.3%増。雇用が強くて物価も強ければ、12月の利上げの話はさらに前に出る。金利がもう一段上がれば、借金で建てる側の負担は重くなる。反対に物価が落ち着けば、利上げの話は後ろに下がる。月曜の市場では、半導体の反発が2日目も続くかを見る。火曜の物価が、次の答えだ。
私の配当と積立への見方
昨夜の動きで、私の配当と積立は何も変わっていない。ナスダックが1.1%反発しても、アップルの1株0.27ドルの配当の宣言は変わらない。雇用が強くて利上げの確率が上がっても、積立を止める理由にはならない。逆に、半導体が反発したからといって積立のペースを上げる理由にもならない。配当は1日で変わるものじゃない。積立は1日の値動きで決めるものじゃない。
今日、私が実際にやることは1つだけだ。月曜の夜、半導体が2日続けて上げるかどうかを見る。火曜の物価指数の数字も、そのあとで見る。買うにしても売るにしても、その2つが出てからだ。1日の反発で動かないよう、数字の確認を先に置く。
出典はCNBCとヤフー・ファイナンスとInvesting.comの11月6日付市場まとめ、Myfxbookの為替データ。
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