
金曜の数字だけ先に置く。11月6日の米国株はナスダック総合24,579.42(1.09%高)、S&P500 7,376.86(0.31%高)、ダウ平均51,285.73(0.46%安)。週間ではS&P500が2.7%安、ナスダックが3.4%安、ダウが0.9%安。数字は複数の海外メディアの11月6日付まとめによる。金曜の中身は昨日の朝コラムに書いた通りで、今日は掘り返さない。今日の話は今週の予定だ。ただし、昨日の記事の訂正が1つある。CPIの前年比だ。
火曜夜のCPIは「前年比が出ない」特殊な回
昨日の記事では、火曜のCPIについて「前年比3.7%」と書いた。確認し直したら、今回は前年比が公表されない見込みだ。2025年10月分のCPIは、米政府機関の閉鎖の影響で公表が見送られた。比べる相手の去年の数字がないから、前年比を出すことができない。12月10日分の発表から前年比が戻る、という整理だ。出典はRegards of Wall Streetの今週の予定(2026-11-08付)と、日本の週間予定まとめ(ko-invest、2026-11-08付)。昨日の記事の「前年比3.7%」は取り消す。
前年比が出ない、というのは、去年のレシートをなくして、今年の買い物の合計と比べられない状態だ。比べるものがないから、見るのは1か月の変化だけになる。市場予想は総合で前月比0.3%増、コア(食品・エネルギーを除く)も前月比0.2〜0.3%増ほど。クリーブランド連銀のナウキャストは総合0.24%、コア0.21%と、予想より少し低めに出ている。9月分は前月比0.6%増、前年比3.7%、コア前年比2.6%だった。
発表は火曜11月10日の夜22時30分(日本時間)。12月8〜9日のFOMCの前に出る最後のCPIだ。金曜の雇用統計は予想の約6万人を大きく上回る16.5万人増で、失業率は4.1%に下がった。12月の0.25%利上げの確率は、CMEのFedWatchで発表前の67%から約77%に上がった。物価まで強く出れば、利上げの話はさらに前に出る。物価が落ち着けば、雇用は強いのに物価は落ち着いている、という組み合わせになる。
火曜はCPIだけじゃない。同じ日にソフトバンクグループの決算(15時30分)、ホンダとフジクラの決算、日銀の10月会合の主な意見(8時50分)、中国の10月貿易収支、米10年債入札と30年国債入札が並ぶ。引け後にはコアウィーブの決算が出て、説明会は日本時間の11日朝7時からだ。1日に材料が詰まりすぎている。火曜の夜は、CPIの前月比だけを見る。ほかの材料は水曜の朝にまとめて確認する。
今週の予定(日本時間)
月曜の夜、まず見るのは半導体の2日目だ。金曜はフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4.21%反発して9,390.3。木曜は12.25%安だった。AMDは約11%高、マイクロンは約5.1%高、エヌビディアも反発した。数字は11月8日付の市場まとめによる。木曜の下げの3分の1ほどしか戻していない。月曜に上げが続けば「売られすぎの戻し」の線が太くなる。もう1日売られたら、値段のつけ直しが続いている、という読みになる。金曜の反発1日で安心する材料は、まだ何もない。月曜の引け後にはテイクツー・インタラクティブとロケット・ラボの決算が出る。テイクツーのグランド・セフト・オート6は11月19日発売で、今回の四半期には入っていない。見るのは実績じゃなく、発売に向けた見通しの言い方だ。夜の25時にはNY連銀の消費者期待調査も出る。1年先のインフレ期待が上がっていれば、火曜のCPIの前に空気が重くなる。
金曜の日経平均は3,643円安と史上3番目の下げ幅で、週間では9.25%安だった。大阪夜間の先物は840円高の58,250円で終えていて、月曜の寄り付きは高く始まりそうだ。米国株の反発が日本株にどこまで伝わるかも、月曜の朝に見る。
水曜11月11日は退役軍人の日で、株式市場は開くが債券市場は休みだ。金利の動きは見えにくくなる。数字の出ない日、と割り切る。
木曜の夜は2つ重なる。22時30分に新規失業保険申請件数、24時に10月の中古住宅販売件数。そして引け後にシスコとアプライド・マテリアルズの決算が出る。シスコの市場予想は1株利益1.32ドル、売上181億ドルほど。8月の見通しでは第1四半期の売上を180億〜182億ドルと置いていた。アプライド・マテリアルズの予想は売上103億ドルほど。見るのは実績じゃない。2社とも、顧客がAIの設備投資を続けているかどうか、見通しの言い方だ。木曜の半導体売りの原因は「工事費は回収できるのか」という疑いだった。設備を作る側の見通しが、その疑いに直接答える。
金曜夜22時30分には10月の生産者物価指数(PPI)が出る。CPIの裏取り、という位置づけだ。CPIとPPIが同じ方向を向けば、物価の読みは固まる。逆を向けば、判断は来週に持ち越しになる。来週の火曜(11月17日)には10月の小売売上高と、エヌビディアの決算が待っている。
私の配当と積立への見方
金曜の反発で、私の配当と積立は何も変わっていない。CPIの前月比が0.3%でも0.5%でも、アップルの1株0.27ドルの配当の宣言は変わらない。雇用が強くて利上げの確率が上がっても、積立を止める理由にはならない。逆に、半導体が反発したからといって積立のペースを上げる理由にもならない。配当は1日で変わるものじゃない。積立は1日の値動きで決めるものじゃない。
今週、私が実際に確認する数字は3つに絞る。1つ目は月曜の半導体の2日目。2つ目は火曜夜のCPIの前月比。3つ目は木曜のシスコとアプライド・マテリアルズの見通し。3つとも、数字が出たその夜に見る。予想の段階で動くことはしない。
私の予想
今週の米国株は、火曜夜のCPIまでは様子見の空気が残りやすい、という見立てを持っている。金曜の雇用統計が強かったぶん、CPIが予想を上回れば利上げの話は一気に前に出て、株には向かい風になる。逆にCPIが落ち着けば、雇用が強いのに物価は落ち着いている、という組み合わせで、半導体の反発に息が入る。どっちに転んでも、木曜の決算で設備投資の見通しが弱ければ、半導体の売りはもう1段ある。金曜の1日の反発で「売られすぎだった」と決めつけるのは早い。CPIが出る火曜夜まで、口座の画面をいじる回数を減らす。それが今週の私のやり方だ。
出典は複数の海外メディアの11月6日付市場まとめ、Regards of Wall Streetの今週の予定、ko-investの週間予定まとめ、TheStreet Proの今週の決算カレンダー(いずれも2026-11-07〜08付)。
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