
今夜22時30分、10月の米雇用統計が出る。見る数字は3つに絞る。非農業部門雇用者数、失業率、平均時給だ。結論から書くと、結果がどう出ても積立は変えない。見るのは12月のFOMCへの道筋と、昨日の下げのあとに相場がどう受け止めるかだ。今夜やる確認は1つだけ。22時30分の発表後、3つの数字をメモする。発表前にポジションを動かさない。
見る数字は3つ、予想の真ん中はここ
米労働省の発表は、米東部時間の朝8時30分。日本時間で今夜22時30分だ。予想の真ん中はこうなっている。ロイターのエコノミスト調査とInvestopediaのまとめによる。
- 非農業部門雇用者数:+6.5万人が予想の真ん中。調査の範囲は+3.5万〜+12.5万人で、ばらつきが大きい。ダウ・ジョーンズの調査では+5.9万人だ。9月は+2.9万人だった。今年の月平均は+6.8万人で、9月の少なさにはレイバーデーが遅かった暦の癖もある、とロイターは書いている
- 失業率:4.2%で横ばいが予想の真ん中。9月も4.2%だった。未処理の値は4.18%で、4.1%か4.3%のどちらかに振れる可能性もある、とロイターは書いている
- 平均時給:前月比+0.3%、前年比+2.9%が予想の真ん中。9月は+0.1%・+3.0%だった。前年比が3%を割るのは2021年5月以来だ
1週間前は7.5万人前後が予想の中心だった。直前の調査では6.5万人まで下がっている。予想自体が動く数字だ。真ん中の数字を絶対視しない。
図で見ると、2つの数字の位置が分かる。雇用者数は9月の+2.9万人から+6.5万人へ戻る予想で、失業率を上げない目安の月4万人は上回る。平均時給は前年比+3.0%から+2.9%へ、3%の線をわずかに割る予想だ。

時給の話は、自分の給料の話と地続きだ。物価は9月までの12か月で+3.7%上がっている(Investopedia)。給料の伸びが+2.9%なら、給料は上がっても買い物の値段のほうが速く上がる。米国の会社員も、給料日を喜ぶ前に値札を見直す側に回っている。数字の上では、賃金が物価に負けている。
3つの数字は組み合わせで読む
3つの数字は、1つずつ見ても意味が薄い。組み合わせで読む。雇用の伸びが強くて、時給の伸びも強いなら、金利は下がりにくい。雇用の伸びが弱くて、時給の伸びも弱いなら、金利を下げる余地が出る。雇用だけ強い、時給だけ強い、という割れた出方もある。割れたときは、どっちが重いかで相場の受け止め方が変わる。
昨日の下げのあとだけに、受け止め方は両方向に振れる。強い数字が出れば「景気は大丈夫だ」の安心と「金利は下がらない」の警戒が同時に来る。弱い数字が出れば「景気は大丈夫か」の不安と「金利が下がるかも」の期待が同時に来る。ナスダックが1日で5.5%下がった翌日に、1つの数字だけで「買い」や「売り」を決める材料にはならない。発表の夜に結論を出さないのが、自分の決まりだ。
民間調査のADPは、10月の民間雇用が+8.6万人で、予想の6.9万人を上回った(ロイター調査)。ただADPと本番の数字は別物で、参考までにする。
速報は修正される。だから今夜はメモだけ
雇用統計は、1回目の発表がゴールじゃない。7月は+2.1万人から-1.0万人に修正された。9月の+2.9万人も速報値で、来月・再来月に直る。月末の家の家計簿みたいなもので、最初に書いた数字はあとでレシートと突き合わせて直す。今夜の数字は、その1回目だ。
だから今夜はメモだけにする。発表の3つの数字と、来月の修正と、12月4日に出る11月分の3点で見る。1回目の数字で積立の金額を変えることはない。
12月のFOMCにつながる道筋
今回の雇用統計は、12月のFOMCの材料の1つ目だ。次のFOMCは12月9日で、年内最後の会合になる。11月分の雇用統計は12月4日に出る。来週火曜(11月10日)には10月の消費者物価も出る。FRBは先月、政策金利を3.75〜4%に据え置いた。市場は12月の利上げ確率を8割超と見ている(CMEフェドウォッチ、Investopedia)。
雇用統計が予想どおりなら、その見方は変わらない。大きく外れたら、12月9日の見方が動く。見るのは、雇用統計そのものより、その先の12月9日だ。
自分の扱い方
積立は月98万円のまま変えない。配当はドルで増えたかどうかで見る。雇用統計は、配当のドル額には直接響かない。為替は157円台後半で、円換算の評価は動くが、配当の額は変わらない。
年末の本当の作業は別にある。損出しの締切は米国株が現地12月24日、日本株が12月28日の取引まで。NISAの成長枠240万円の使い残しは来年に持ち越せない。12月の配当は、売る前に権利落ち日を確認する。雇用統計は、その横で眺めるだけだ。
22時30分になったら3つの数字をメモして寝る。答え合わせは明日の朝コラムでやる。発表の夜に売り買いを決めない。それだけだ。